老舗を目指す
京都に来て良かったことの一つ。
自分の会社、ハルデザインコンサルティングをどういう会社にするか、覚悟が決まったこと。
ITやWeb、広告、マーケティングの世界は流れが速い。
だから若い頃はその流れについていかなければという先入観で、あせってばかりいた。
でも私は彼らのやり方に違和感を感じていた。自分には同じようにはできなかった。
能力がなかったのだと思うし、目指したいものが違う気がしていた。
そして、京都で暮らしながら気づいたのだ。
自分の会社は、老舗を目指そう、と。
老舗を目指す、会社を長く存在させること。これに挑戦することにした。
ハルデザインは1999年に創業して。間もなく丸13年を迎え、14年目に入る。
この会社を30年、50年、100年続けて、老舗を目指す。
こう決めてから、老舗とはなにか、どうすれば老舗になれるのか、ずっと考えている。
今のところ私なりに考察している老舗の共通点は大きく言って2つ。
「その分野において徹底した研究を行い、卓越した技術を持っている」
「常に新しいことに取り組んでいること」
以上の2点だ。
決して古い伝統を守っているだけではない。それではお客様は離れてしまう。
ビジョン、技術、守るべきものは守り、常に時代に合う、新しいことに取り組んでいく。
先日、Facebookで情報を得て、清課堂さんの工房見学に伺った。
清課堂さんは、錫器を主に、銀器銅器なども含めた多様の金工品を手がけている。
1838年創業。現在の当主、山中氏は七代目。
http://www.seikado.jp/
https://www.facebook.com/seikado
決して広くはない工房で、若い人たちが熱心に制作活動をしていた。
20代の方が多いのだという。
もちろん作品は素晴らしい。
技術も卓越している。
そして何よりも確信したのは、その分野においてまぎれも無い第一人者であり、そして新しい分野にも取り組んでいることだった。
若い人たちも大いに活躍しているように見えた。
だからもし自分の会社もそうしたいのであれば、清課堂さんを目指せばいい。
その分野における第一人者になり、常に新しい分野に取り組めばいい。
清課堂さんのように174年も続く老舗の方の前では、自分のやっていることなど、幼児どころか乳児のような状態だ。
でも目指さなければ絶対になれない。無謀かもしれないし、ありえないかもしれない。
でも1歩を踏み出さなければ、100歩進むことはできないし、それ以上にもなれない。
幸い、京都には老舗が多い。よく行くおそば屋さんの尾張屋さんは、創業540年。
そのようなお店や企業がたくさんある。
これからも日々学んでいきたいと思う。
本質的なものを突き詰めて、良い仕事をし続けていきたい。