懐に飛び込む
昨日今日は実に充実した東京滞在だった。
この充実感と達成感は久しぶり。
私は5年前に自分の仕事を営業職だと覚悟を決めてから、どうすれば人の心をつかめるか、ずっと考えてきた。
4年前にラジオDJのDJ TAROさんやサッシャさんと知り合い、TAROさんが開いているラジオDJスクールに参加した。
TAROさんから教えてもらったことのなかで、いま一番役に立っているのは「人の話を聞く」こと。
たとえばラジオ番組の中で、ゲストを呼んで話を聞き出すコーナーの場合。
初対面で相手に色々と話をしてもらうのはとても大変なことだ。
当然、自分とは全く逆の業界とか、性格が違うとか、話を合わせるのが難しそうなゲストも来る。
そういうときにどうすればよいか。
TAROさんが教えてくれたのは、とにかく共通の話題を見つけること。
雑談でいい。ニューアルバムのPRでゲストに来た場合でも、あえてちょっとした共通の話題を雑談で持ち出すと、相手が共感しリラックスしてくれる。
リラックスしてくれれば、あとはするすると自ら話し始めてくれる。
まず相手にリラックスしてもらうことがとても大切。
これはまさに営業でも同じことが言えて、お客様というのは、基本的にこちらの話を聞きたいのではなく、自分の話を聞いてもらいたいと思っている。
でもなかなか初対面だとどこまで話しても良いのか信用できないし、お互いとても緊張している。
だからいかにリラックスして話してもらうか。
安心して本音を言ってもらうか。
それにはちょっとした雑談で共通の話題で盛り上がると、ぐっと距離が縮まる。
相手が共感してくれたらこちらのものだ。
これを私は「懐に飛び込む」ことだと思っている。
たまたまネットを見ていたら、こういう記事があった。
「”スター宇宙飛行士”の「懐に飛び込む」技術」
http://toyokeizai.net/articles/-/14334
宇宙飛行士の星出さんの話だ。
私はインタビュー取材で星出さんにお会いしたことがあるのだけれど、
宇宙飛行士にとって一番大切なことは「コミュニケーション力」だと言っていた。
国籍が違う、職種が違う、そういうメンバーと狭い宇宙船の中で長い時間を過ごす。
その中で一番大切なのは仲間といかにうまくやれるか、ということなのだという。
ものすごく納得した。
自分も万能ではないから飛び込めない相手もいる。
でも可能な限り自分の引き出しを多く持ち、些細なことでもいいからきっかけをつかむこと。
これが営業の、人付き合いの、極意だと思っている。
ところでやはり東京はすごいところだ。
大都会、東京。高いビルと、ビルの向こうの夕焼け。
東京が自分の故郷だというのも、いまや不思議な感覚。
家族が待つ京都に向かう新幹線の中にて。